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個人で工務店や建設業を営んでいた親方が亡くなった。現場は途中、事務所には重機やトラックが残っている。『許可はそのまま使えるの?重機は誰の物になるの?』と、何から手を付けていいか迷いますよね。
結論から言うと、建設業の許可は相続人が引き継げる仕組みがあります。ただし期限がとても短く、死亡後30日以内に認可を申請しないといけないんです。
この記事では、許可を持っていた親方と、許可のない一人親方のケースで、手続きがどう分かれるかを見ていきます。
親方の建設業許可は、子が引き継げる?
親方が建設業許可を持っていて、相続人が事業の全部を続ける場合は、死亡後30日以内に許可行政庁へ相続の認可を申請します。申請すれば、認可が出るまでの間も許可は相続人にあるものとして扱われます。許可のない一人親方なら、許可の承継は要らず、税務署への届け出が中心です。
建設業法の第17条の3では、個人の建設業者が亡くなった時に、相続人が建設業の全部を引き続き営む場合の認可が決められています。相続人が2人以上いる時は、全員の同意で引き継ぐ1人を選びます。
申請先は、親方が受けていた許可の種類で決まります。都道府県知事の許可なら知事へ、国土交通大臣の許可なら大臣へ申請します。
ここが大事なところです。認可を受けるには、引き継ぐ人自身が許可の要件を満たしている必要があります。経営業務の管理体制や、営業所に置く技術者の要件などです。
『現場を手伝っていた息子なら、そのまま継げるのでは?』と思う方も多いはずです。実は、手伝っていた期間が要件として認められるかは、書類で示せるかどうかで変わります。早めに許可を出した都道府県の窓口へ相談してみてください。
| ケース | 許可の扱い | 主な手続き | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 許可ありの親方・長男が全部を継ぐ | 認可で引き継げる | 死亡後30日以内に相続の認可を申請 | 長男が許可の要件を満たすことが前提 |
| 許可ありの親方・誰も継がない | 引き継がない | 廃業の届け出、請負中の工事の整理 | 重機や資材は相続財産として分ける |
| 許可なしの一人親方・子が継ぐ | 許可の承継は不要 | 子の名前で開業の届け出 | 1件500万円未満の工事なら許可が要らない |
| 許可なしの一人親方・継がない | なし | 廃業の届け出、道具や車の処分 | 未収の工事代金も相続財産になる |

一人親方で許可が要らないのは、建設業法の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合です。工事1件の請負代金が500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅)なら、許可は要りません。
重機やトラックは、どう名義を変える?
例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人で、長男が事業を継ぐケースで考えてみます。
「重機もトラックも、兄が使うなら兄の名義にすればいいの?」
「遺産分割で兄が引き継ぐと決めてから、名義を変える流れになります」
重機や工具、資材は、親方個人の財産なので相続財産です。まず遺産分割協議で、誰が引き継ぐかを決めるところからです。
ナンバーの付いたトラックや大型の重機など、登録を受けた自動車は名義変更(移転登録)が必要です。道路運送車両法では、所有者が変わった日から15日以内に申請することになっています。
- 建設業許可の種類(知事か大臣か)と許可番号
- 請負中の工事と、未収の工事代金
- ナンバー付きの車両と重機の台数
- リースの重機や車両があるか(リース会社の物は相続財産ではない)
- 親方名義の借入金や、資材の買掛金
『リースの重機も、親方の財産として分けるの?』と迷う方もいます。リースの重機は、親方の物ではありません。契約の扱いは、リース会社に連絡して確かめておきましょう。
重機や事業の財産に、相続税はかかる?
重機や工具のような動産は、国税庁の財産評価基本通達で評価の仕方が決まっています。原則は、売買の実例や専門家の意見価格を参考にします。それが分からない物は、同じ規格の新品の価格から、製造からの年数分の減価(定率法)を差し引いて評価します。
未収の工事代金や預貯金、事業用の土地も相続財産に入ります。事業用の土地で事業を続ける場合は、要件を満たせば特定事業用宅地等として400㎡まで80%減額できることもあります。
相続税の基礎控除は、3,000万円に600万円×法定相続人の数を足した額です。妻と子2人なら4,800万円です。
例えば、重機や預貯金、自宅などを合わせて課税価格が6,000万円で、妻と子2人が法定相続分どおりに分けたケースで計算してみます。
| 計算の流れ | 金額 |
|---|---|
| 課税価格の合計 | 6,000万円 |
| 基礎控除(相続人3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 1,200万円 |
| 相続税の総額 | 120万円 |
| 妻の納付額(配偶者の税額軽減) | 0円 |
| 子1人あたりの納付額 | 30万円 |
妻は配偶者の税額軽減で0円になりますが、軽減を使うには申告が必要です。基礎控除を超えるかどうかは、相続人の人数ごとの基礎控除の早見表で確かめてみてください。
亡くなった親方の所得税は、準確定申告で相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告します。事業の届け出全体の流れは、個人事業主の親が亡くなった時の手続きと期限の一覧でまとめて確認できます。
重機の評価額が分からない、事業用の土地に特例を使いたい、継ぐ人と継がない人の取り分を調整したい。そんなケースは、相続税の申告を税理士に頼むと評価と分け方を一緒に考えてもらえます。
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よくある質問
建設業許可を相続で引き継ぐ期限はいつまでですか?
被相続人の死亡後30日以内に、許可を出した都道府県知事か国土交通大臣へ相続の認可を申請します。申請すれば、認可か不認可の通知を受けるまでの間、許可は相続人に対してしたものとみなされます。
相続人が2人以上いる時、誰が許可を引き継ぎますか?
相続人全員の同意で、建設業の全部を引き継ぐ1人を選びます。選ばれた人が許可の要件を満たしている必要があります。
一人親方が亡くなった時も、許可の手続きは必要ですか?
許可を受けていなかった一人親方なら、許可の承継の手続きはありません。廃業や開業の届け出、準確定申告、道具や車両の相続が中心になります。
まとめ
- 許可を持つ親方の事業を続けるなら、死亡後30日以内に相続の認可を申請する
- 引き継ぐ人は許可の要件を満たす必要があり、相続人が複数なら全員の同意で1人を選ぶ
- ナンバー付きの車両や重機は、所有者が変わった日から15日以内に移転登録をする
- 重機は売買実例などで評価し、分からなければ新品価格から減価を差し引く




