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年金をもらっていた父が亡くなり、葬儀が終わったと思ったら、役所や年金事務所からの書類が次々と届く。『何から手をつければいいの?』と立ち止まってしまいますよね。
結論から言うと、まずは年金を止める届出、次に未支給年金の請求、そのあとに相続の手続きという順番で進めます。年金の届出は期限が短いので、最初に片づけておくのがコツです。
この記事では、年金受給者が亡くなった時の手続きの順番と、家族構成ごとに変わる所が分かります。
年金をもらっていた親が亡くなったら、最初に何をする?
年金を受け取っていた人が亡くなったら、年金を止める届出を、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内に出します。止め忘れて振り込まれた分は、あとで返すことになります。そのうえで、亡くなった人がまだ受け取っていない年金(未支給年金)を、生計を同じくしていた遺族が請求します。
年金を止める手続きは、日本年金機構への届出です。マイナンバーの登録状況などによって省略できる場合もあるので、年金事務所に確認してみてください。
『死亡届を出したから、年金も勝手に止まるでしょ?』という方も多いはずです。実は、ここで止め忘れると、亡くなった後の分まで口座に振り込まれてしまうことがあるんです。
振り込まれすぎた年金は、相続人が返すことになります。口座が凍結されると返金の手続きもややこしくなるので、早めに年金事務所へ連絡しておきましょう。
母が残る場合と、子だけが残る場合で何が変わる?
年金まわりの手続きは、誰が残るかで中身が大きく変わります。例えば、父が亡くなり母と子2人が残るケースと、母が先に亡くなり父が亡くなって子2人だけが残るケースで比べます。
| ケース | 未支給年金 | 遺族年金 | 理由・注意 |
|---|---|---|---|
| 父が亡くなり、同居の母が残る | 母が請求する | 母が受け取れる場合がある | 母自身の年金との調整がある |
| 母が先に亡くなり、父が亡くなって別居の子2人が残る | 生計を同じくしていた子なら請求できる | 子が受け取れるのは要件を満たす場合に限られる | 別居でも仕送りなどで生計を同じくしていたと認められることがある |
| 子2人のうち1人が父と同居していた | 同居の子が請求する | 同上 | 請求した人が受け取り、遺産分割の対象にはならない |

未支給年金は、亡くなった人の財産ではなく、請求した遺族自身のお金として扱われます。だから遺産分割協議で分けるものではないんです。
税金の扱いも見ておきましょう。未支給年金は相続税の対象外ですが、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になります。遺族年金は相続税も所得税もかかりません。
未支給年金の請求には5年の時効があります。後回しにしているうちに忘れないようにしておきましょう。
年金受給者が亡くなった時の手続きは、どの順番で進める?
年金の届出は期限が短く、相続税の申告は期限が長めです。短いものから順に並べると、こうなります。
- 死亡届を出す(死亡を知った日から7日以内)
- 年金を止める届出を出す(厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内)
- 健康保険・介護保険の資格喪失を届け出る(14日以内)
- 世帯主変更届を出す(14日以内。残った世帯員が1人なら不要)
- 未支給年金を請求する(時効5年)・遺族年金の請求を相談する
- 相続放棄を考えるなら、家庭裁判所へ申述する(3か月以内)
- 親の所得税の準確定申告をする(4か月以内)
- 相続税の申告・納付をする(10か月以内)
年金を受け取っていた親は、年金の額によっては所得税の確定申告をしていたかもしれません。その場合、亡くなった年の分は相続人が準確定申告をします。
葬祭費や埋葬料の請求も忘れがちです。こちらは2年以内に、加入していた健康保険へ請求します。
例えば、兄弟でこんな会話になることがあります。
「年金の停止って、もう出した?」
「まだ。葬儀でバタバタしてて」
10日、14日はあっという間です。葬儀の準備と並行して、誰がどの届出を出すか分担しておくと安心ですよ。
年金の振込口座は、いつまで使える?
年金が振り込まれていた親の口座は、銀行が死亡を知った時点で凍結されます。凍結されると、引き出しも引き落としも止まります。
『口座が止まったら、公共料金や施設の費用はどうなるの?』と不安になりますよね。引き落としが止まった分は、請求書が届くので、相続人が立て替えて払うことが多いです。
立て替えた費用は、亡くなった人の債務として相続税の計算で差し引けます。領収書は保管しておきましょう。
- 年金・公共料金・施設の費用・保険料が、どの口座で動いていたか
- 亡くなった後に年金が振り込まれていないか(あれば返還の対象)
- 介護保険料や医療費の還付の案内が届いていないか
- 葬儀費用や当面の生活費に、預貯金の仮払い制度(1金融機関ごとに上限150万円)を使うか
預貯金の仮払い制度を使えば、遺産分割の前でも、相続人が1人で一定額を払い戻せます。額は「相続開始時の預金額 × 1/3 × その人の法定相続分」で、上限150万円です。
ただし、払い戻したお金を自分のために使うと、相続放棄ができなくなることがあります。放棄を考えている人は、使い道に気をつけてくださいね。
年金で暮らしていた親でも、相続税はかかる?
『年金暮らしだったから、相続税なんて関係ない』と思われがちです。ただ、自宅の土地と長年の預金を合わせると、基礎控除を超える家もあります。
母が先に亡くなり、父が亡くなって子2人が相続するケースで比べてみます。法定相続人は2人なので、基礎控除は4,200万円です。
| ケース | 課税価格の合計 | 課税遺産総額 | 相続税の総額 | 子1人あたり(法定相続分どおり) |
|---|---|---|---|---|
| 自宅と預金で4,000万円 | 4,000万円 | 0円 | 0円 | 0円(申告不要) |
| 自宅と預金で6,000万円 | 6,000万円 | 1,800万円 | 180万円 | 90万円 |
6,000万円のケースでは、課税遺産総額1,800万円を2人で分けて1人900万円です。税率10%で90万円ずつ、総額は180万円になります。
ここが大事なところです。子が親と同居していた自宅なら、小規模宅地等の特例で土地の評価を330㎡まで80%減らせる場合があります。特例を使って0円になる時も、申告は必要です。
亡くなった親の未支給年金は相続財産に入りませんが、亡くなる前に振り込まれて口座に残っていた年金は、預金として相続財産に入ります。
自宅の土地がある、特例が使えるか分からない、兄弟の一方だけが同居していた、という家は、相続税の申告を税理士に相談すると判断が早く進みます。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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親が会社や公務員を退職して年金を受け取っていた場合の退職金の扱いは、公務員の夫が亡くなった時に受け取れるお金でも触れています。
親が株式や投資用の不動産を持っていた場合は、株式投資をしていた親が亡くなった時の手続きや不動産投資をしていた親が亡くなった時に確認する物件と借入も見てみてください。
よくある質問
亡くなった後に振り込まれた年金は、使ってしまっても大丈夫ですか?
年金を受け取る権利がない期間の分は返すことになります。年金事務所から返還の案内が来るので、それまで手をつけずにおくと安心です。
未支給年金は、遺産分割で兄弟と分ける必要がありますか?
いいえ。未支給年金は請求した遺族自身のお金として扱われ、遺産分割の対象にはなりません。
未支給年金に税金はかかりますか?
相続税はかかりませんが、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になります。
まとめ
- 年金を止める届出は、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内
- 止め忘れて振り込まれた年金は、相続人が返すことになる
- 未支給年金は生計を同じくしていた遺族が請求し、時効は5年
- 未支給年金は相続税の対象外、遺族の一時所得として所得税の対象
- 子2人の例で、財産6,000万円なら相続税の総額180万円、4,000万円なら申告不要




