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妻が亡くなった時、『専業主婦だったから、相続税なんて関係ないよね』と考える方は多いはずです。収入がなかったのだから、財産もないと思いますよね。
結論から言うと、妻名義の財産が基礎控除を超えれば相続税はかかります。ただし、妻名義の預金がすべて妻の財産とは限りません。どこで結論が変わるのか、ケースごとに見ていきます。
専業主婦の妻が亡くなっても、相続税はかかる?
妻が自分の親から相続した財産や、結婚前からの貯金、夫から正式に贈与を受けた財産は妻の財産です。これらの合計が基礎控除を超えれば、専業主婦でも相続税がかかります。反対に、夫の給料から妻名義で貯めていた預金は、実質は夫の財産と見られ、妻の相続財産には入らないことがあります。
ここが大事なところです。相続税は「名義」ではなく、「実際に誰のお金か」で判断されます。家族名義でも実質は亡くなった人の財産なら、それは名義預金と呼ばれ、相続財産として扱われます。
妻名義の財産を、誰の物と見られやすいかで分けてみます。
| 財産の種類 | 誰の財産と見られやすいか | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 妻が親から相続した預金・土地 | 妻 | 妻の相続財産になる |
| 結婚前から妻が持っていた貯金 | 妻 | 通帳の記録で経緯を説明できるようにしておく |
| 夫から贈与された自宅の持分(贈与税の配偶者控除を使用) | 妻 | 婚姻20年以上なら最高2,000万円まで控除。申告していることが前提 |
| 夫の給料から妻名義で貯めた預金 | 夫 | 名義預金として、夫の相続の時に夫の財産に入る |
| 生活費の残りを妻がためたお金 | 夫と見られることがある | 贈与の手続きがなければ夫の財産とされやすい |

『妻の通帳に入っているんだから、妻の物でしょ』と思いますよね。ただ、お金の出どころが夫の給料なら、話は変わってきます。
妻の財産が6,000万円なら、相続税はいくら?
例えば、妻が亡くなり、夫と子2人が相続するケースです。妻が自分の親から相続した預金と土地があり、課税価格の合計が6,000万円だったとします。
夫がどれだけ取得するかで、家族全体の納付額が変わります。
| 計算の段階 | 法定相続分どおり分ける | 夫は取らず子2人で分ける |
|---|---|---|
| 課税価格の合計 | 6,000万円 | 6,000万円 |
| 基礎控除(相続人3人) | 4,800万円 | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 1,200万円 | 1,200万円 |
| 相続税の総額 | 120万円 | 120万円 |
| 夫の納付税額 | 0円(配偶者の税額軽減) | 0円(取得なし) |
| 子1人あたりの納付税額 | 30万円 | 60万円 |
| 家族全体の納付税額 | 60万円 | 120万円 |
法定相続分どおりなら、夫は配偶者の税額軽減で0円になり、家族全体で60万円です。夫が何も取らずに子2人で分けると、120万円になります。
ただ、今回だけを見て夫に多く取得させればいい、とは言い切れません。夫が亡くなった時は、夫の財産に妻からの分が上乗せされ、配偶者の税額軽減も使えません。このように続けて起きる相続(二次相続)まで考えて、分け方を決めるのが大事なんです。
同じ家族で、妻の財産が4,000万円なら基礎控除4,800万円の範囲に収まり、相続税はかかりません。
「妻の実家の土地、名義を変えただけで放っておいたけど大丈夫かな」
「土地は路線価で評価するから、一度金額を出してみないと分からないよ」
妻の実家から引き継いだ土地がある、夫の相続との順番まで考えて分け方を決めたい。こうしたケースは、2回分の相続をまとめて税理士に試算してもらうと判断しやすくなります。
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妻名義の預金は、夫の相続の時にどうなる?
夫の給料から妻名義で貯めた預金は、妻が亡くなった時には妻の財産に入らないことがあります。その代わり、後で夫が亡くなった時に、夫の財産として数えられます。
『妻の口座に移しておけば、夫の相続税は減らせる』と考える方もいますが、実はそうはいかないんです。
夫から妻へ正式に贈与したお金にするなら、次の点を押さえておきましょう。
- 贈与するたびに、贈与契約書を作っておく
- 通帳と印鑑は、受け取った妻が自分で管理する
- 贈与税の基礎控除(年110万円)を超えたら、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日に申告する
ただし、2024年1月1日以降の贈与は、相続開始前7年以内の分が相続財産に加算されます(加算期間は2031年1月以降の相続で7年になるよう段階的に延びます)。妻が夫の財産を相続する場合、この加算の対象になる点は知っておきましょう。
自宅がある家は、名義をどうするかも絡んできます。家の分け方は実家・空き地・賃貸物件のケース別にやることを見てみてください。
反対に夫が先に亡くなった場合の、残された妻の税金はパート勤めの妻が夫を亡くした後の税金と扶養の手続きで紹介しています。
よくある質問
専業主婦の妻が亡くなった時、相続税の申告は必要?
妻の財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら不要です。夫が配偶者の税額軽減を使って0円になる場合は、申告が必要です。
へそくりは妻の財産になる?
夫の給料や生活費から貯めたお金は、夫の財産と見られることがあります。誰の財産になるかは、お金の出どころや管理の状況で判断されます。
妻名義の預金を見つけたら、どう扱えばいい?
通帳の入金の記録を見て、お金の出どころを確かめましょう。判断に迷う時は、夫の財産として申告すべきかも含めて税理士に確認してみてください。
まとめ
- 専業主婦でも、妻名義の財産が基礎控除を超えれば相続税がかかる
- 相続税は名義ではなく、実際に誰のお金かで判断される
- 夫の給料から貯めた妻名義の預金は、夫の財産と見られることがある
- 妻の財産6,000万円を夫と子2人で法定相続分どおり分けると家族全体で60万円、子だけで分けると120万円
- 夫の相続(二次相続)まで考えて分け方を決める





