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家族が亡くなった日は、悲しむ間もなく次々に決めることが出てきますよね。『相続のことも今日から動かないといけないの?』と焦る方も多いはずです。
結論から言うと、当日にやる相続の手続きはほとんどありません。今日は「お別れの準備」と「後で困らないための保存」だけで十分です。
この記事では、当日にやることと、まだやらなくていい相続のことの線引きがケース別に分かります。
亡くなった当日、相続のことで何をすればいい?
例えば、父が病院で亡くなり、母と子2人が残るケースなら、当日にやるのは死亡診断書を受け取ること、葬儀社に連絡すること、親族に知らせることの3つです。遺産の話し合いや銀行・役所の相続手続きは、葬儀が終わってからで間に合います。
いちばん早い期限がある届出でも、死亡届は死亡を知った日から7日以内です。
年金の停止は厚生年金で10日以内、国民年金で14日以内。健康保険の資格喪失も14日以内です。どれも当日中に済ませる必要はありません。
ただ、当日だからこそやっておきたい「保存」があります。それは、後で相続の計算に使う書類やお金の記録を捨てないこと。
『葬儀のバタバタで、領収書なんてどこかへいってしまいそう』と心配になりますよね。ここが大事なところです。
病院で亡くなった場合と自宅で亡くなった場合の違い
当日の動きは、亡くなった場所で少し変わります。
| ケース | 当日まずやること | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 病院で亡くなった | 医師から死亡診断書を受け取る・葬儀社に搬送を頼む | 病院の霊安室に長くは安置できないことが多い |
| 自宅で亡くなった(かかりつけ医がいる) | かかりつけ医に連絡して死亡を確認してもらう | 死亡診断書をもらう |
| 自宅で亡くなった(かかりつけ医がいない・突然) | 警察に連絡する | 検案を経て死体検案書が出る。自分で遺体を動かさない |
| 一人暮らしの親が亡くなっていた | 警察に連絡し、家族として立ち会う | 家の中の通帳や書類は、後で落ち着いてから探せば大丈夫 |
死亡診断書(死体検案書)は、死亡届と一体の用紙になっています。役所に出した後は手元に戻らないので、コピーを何枚か取っておきましょう。
生命保険の請求などで、写しを求められることがあるからです。

当日に銀行へ行ってお金を下ろしてもいい?
『口座が止まる前に、葬儀代を下ろしておいたほうがいいのでは』と考える方もいますよね。
金融機関は、口座の名義人が亡くなったと知ると、その口座の取引を止めます。だから当日に慌てて銀行へ行く家族もいます。
ただ、ここは少し立ち止まってみてください。
亡くなった後に下ろしたお金も、相続財産のままです。引き出した分を何に使ったか、相続人の間で説明できるようにしておく必要があります。
もう1つ注意したいのが、借金があるかもしれないケースです。財産を処分したり使ったりすると、単純承認とみなされて相続放棄ができなくなることがあります。
| ケース | 当日に下ろしてもいいか | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 財産は預金と自宅だけ・借金はない | 急ぐ必要はない | 葬儀代は後から精算できる。下ろすなら全員に伝えて領収書を残す |
| 借金があるかもしれない | 下ろさないほうが安心 | 使い方によっては相続放棄ができなくなることがある |
| 葬儀代を立て替えられる家族がいない | 仮払い制度を使う手もある | 1金融機関ごとに上限150万円まで、相続人が単独で払い戻せる |
預貯金の仮払い制度は、「相続開始時の預金額 × 3分の1 × その人の法定相続分」が上限です。1つの金融機関で150万円が上限になります。
例えば、こんな会話になることがあります。
「お父さんの口座から、とりあえず葬儀代を出しておこうか」
「下ろすなら、兄さんにも一言伝えておいて。後で揉めたくないから」
この一言があるだけで、後の話し合いがずっと楽になります。
当日から捨てずに取っておくもの
相続税の計算では、借入金や葬式費用を遺産から差し引けます。だから、葬儀に関わる支払いの記録はとても大事なんです。
- 死亡診断書(死体検案書)のコピー
- 葬儀社の見積書・請求書・領収書
- お寺へのお布施など、領収書が出ない支払いのメモ(日付・金額・支払先)
- 通夜や葬儀で使った飲食・送迎の支払い記録
- 亡くなった人の財布・郵便物(請求書や通帳のヒントになる)
お布施は領収書が出ないことも多いので、その日のうちにメモを残しておきましょう。
一方で、香典返しや四十九日などの法要の費用、墓石の購入費は葬式費用に入りません。払った記録は残しておいてかまいませんが、遺産から差し引けない点は覚えておいてください。
どんな財産が相続の対象になるかは、保険金・退職金・名義預金のケース別判定で確認できます。
遺言書らしき封筒を見つけたら
当日、自宅の机や仏壇から遺言書らしき封筒が出てくることもあります。『中を見て、葬儀の希望が書いてないか確かめたい』と思いますよね。
自分で書いた遺言書(自筆証書遺言)は、家庭裁判所の検認という手続きが必要です。見つけた時の状態のまま保管しておき、葬儀が落ち着いてから手続きを考えれば大丈夫です。
法務局に預けてあった遺言書や、公証役場で作った公正証書遺言は検認が要りません。遺言書があるかどうかで、後の分け方の話し合いが大きく変わります。
「封筒、開けてみる?」
「いや、勝手に開けないで、みんながそろってから考えよう」
家族の間でこう決めておくだけでも、後で『誰かが書き換えたのでは』と疑われる心配が減ります。
まだやらなくていい相続のこと
当日に無理して動かなくていいことも、はっきりさせておきます。
| まだやらなくていいこと | いつ頃考えればいいか | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 遺産の分け方の話し合い | 葬儀が終わり、財産が分かってから | 法律上の期限はない |
| 相続放棄するかの判断 | 知った時から3か月以内 | 借金が分かってからでも間に合う |
| 亡くなった人の所得税の申告(準確定申告) | 知った日の翌日から4か月以内 | 必要かどうかは後で確認すればいい |
| 相続税の申告 | 知った日の翌日から10か月以内 | 基礎控除以下なら申告不要 |
| 不動産の名義変更(相続登記) | 取得を知った日から3年以内 | 分け方が決まってからでいい |
『全部すぐにやらないといけない気がしていた』という方も多いはずです。実は、相続の手続きは月単位で考えれば大丈夫なんです。
葬儀の後に何から始めるかは、亡くなって14日以内の手続き一覧で順番に確認してみてください。
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よくある質問
亡くなった当日に役所へ行く必要はありますか?
当日でなくても大丈夫です。死亡届の期限は死亡を知った日から7日以内で、葬儀社が提出を代行してくれることも多いです。
当日に口座からお金を下ろすと相続放棄できなくなりますか?
下ろしたお金を自分のために使うなど、財産を処分・消費したとみなされると放棄できなくなることがあります。借金があるかもしれない時は、手をつけずに専門家に相談しておきましょう。
葬儀費用の領収書はどのくらい取っておけばいいですか?
相続税の申告期限(知った日の翌日から10か月以内)を過ぎても、申告内容を確認されることがあります。申告をする家は、申告後もしばらく保管しておくと安心です。
まとめ
- 当日にやる相続の手続きはほとんどない
- 死亡診断書のコピーと葬儀の領収書を残すのが当日の大事な仕事
- 口座のお金を下ろすなら、相続人全員に伝えて記録を残す
- 借金があるかもしれない時は、財産に手をつけない
- 遺産の話し合いや申告は、葬儀が終わってから月単位で考える





