ネットショップを運営していた家族が亡くなった時の引き継ぎ方

「ネットショップを運営していた家族が亡くなった時の引き継ぎ方」を、店を続けるケースと閉じるケースの違いで解説する記事のアイキャッチ

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家族が個人でネットショップを運営していたけれど、突然亡くなってしまった。注文の通知は届き続け、部屋には在庫の段ボールが積まれている。『お店はどうしたらいいの?売上金は誰のもの?』と戸惑いますよね。

結論から言うと、在庫や売上金は相続財産になり、お店を続けるか閉じるかは家族で決められます。ただ、ショップのアカウントを引き継げるかは、使っていたサービスの規約しだいなんです。

この記事では、家族が店を続けるケースと閉じるケースで、やることがどう変わるかを見ていきます。

目次

亡くなった家族のネットショップは、誰のものになる?

このケースの結論

在庫・売上金の残高・事業用の預金は相続財産です。仕入れの未払いなどの債務は、相続税の計算で差し引けます。アカウントやショップの運営者の地位を家族が引き継げるかは、各サービスの利用規約で決まるので、まず運営会社に死亡を連絡して扱いを確かめます。

ネットショップは、個人事業として営んでいた事業です。お店そのものに名義があるわけではなく、中身は在庫や預金、未収の売上金といった財産の集まりなんです。

『アカウントにログインできるなら、そのまま続ければいいのでは?』と思う方も多いはずです。ただ、本人のIDで家族が勝手に運営を続けると、規約違反になったり、売上の名義と実際に働く人がずれたりします。

例えばこんな場面です。

「パスワードは分かるから、注文が来たら私が発送しておくね」
「その前に、運営会社に死亡を伝えて、家族が引き継げるか確認しておこう」

受注済みで未発送の注文があれば、お客さんへの連絡や返金の対応が先です。ショップを一時的に休止できるかも、サービスごとに確かめてみてください。

店を続ける場合と閉じる場合で、何が変わる?

例えば、夫が亡くなり、妻と子1人が相続人で、ネットショップに在庫と売上金の残高があるケースで考えてみます。

ケース在庫・売上金主な手続き理由・注意
妻が店を続ける遺産分割で妻が引き継ぐ妻の名前で開業の届け出、アカウントの名義を規約に沿って変更引き継げないサービスなら新しく出店し直す
子が店を続ける遺産分割で子が引き継ぐ子の名前で開業の届け出、青色申告の承認申請親が青色申告なら死亡日で申請期限が変わる
店を閉じる在庫は売り切るか処分、売上金は相続財産として分ける廃業の届け出、アカウントの閉鎖閉鎖前に取引履歴を保存しておく
妻が続ける・子が続ける・店を閉じるの3ケースで、在庫と売上金の行き先と届け出を分けたケース別の分岐表

税務署への届け出は、続ける場合も閉じる場合も出てきます。亡くなった人の事業の廃業と、継ぐ人の開業の届け出は、それぞれ1か月以内です。

親が青色申告だった場合、継ぐ人の青色申告の承認申請は死亡日で期限が変わります。死亡日が1月1日から8月31日なら、死亡の日から4か月以内です。9月1日から10月31日ならその年の12月31日まで、11月1日から12月31日なら翌年2月15日までになります。

ここが大事なところです。閉じる場合でも、アカウントを消す前に売上や手数料の履歴をダウンロードしておきましょう。準確定申告の計算に使うからです。

店を閉じる前に保存しておくもの
  • 1月1日から死亡日までの売上と手数料の明細
  • 仕入れや送料の領収書、未払いの請求書
  • 死亡日時点の在庫の一覧(品名・数量・仕入れ値・販売価格)
  • 売上金の残高が分かる画面や通知

在庫や売上金に、相続税と所得税はどうかかる?

亡くなった人の1月1日から死亡日までの所得は、準確定申告で相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告します。消費税の課税事業者だった場合は、消費税の申告も必要です。

『在庫は仕入れた値段で計算すればいいの?』と思いますよね。在庫の商品は、国税庁の財産評価基本通達で評価の仕方が決まっています。販売する時の価格から、適正な利益、売るまでにかかる経費、消費税の額を差し引いた金額です。

死亡日時点で受け取っていない売上金も、相続財産になります。一方、準確定申告で納める所得税や、仕入れの未払いは債務として差し引けます。

相続税の基礎控除は、3,000万円に600万円×法定相続人の数を足した額です。妻と子1人なら4,200万円になります。在庫や売上金のほかに、自宅や預貯金も合わせて超えるかを見てみてください。人数ごとの金額は基礎控除の早見表で確認できます。

事業の届け出全体の流れは、個人事業主の親が亡くなった時の手続きと期限の一覧にまとめています。死亡後に入ってくる売上の扱いは、死亡後に入ってくる収入がある人の相続も参考になります。

在庫が多くて評価が難しい、準確定申告と相続税の申告が両方ありそう、店を継ぐ人と継がない人の取り分を調整したい。そんなケースは、税理士に頼むと期限内にまとめて進めやすくなります。

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よくある質問

亡くなった家族のショップのアカウントは、相続できますか?

アカウントを家族が引き継げるかは、使っていたサービスの利用規約で決まります。運営会社に死亡を伝えて、名義変更ができるか、閉鎖になるかを確かめてください。

在庫の商品は、相続税でいくらと評価しますか?

販売する時の価格から、適正な利益、売るまでの経費、消費税の額を差し引いた金額で評価します。死亡日時点の在庫の一覧を作っておくと計算しやすくなります。

店を閉じる時、税務署には何を出しますか?

事業をやめた日から1か月以内に廃業の届け出をします。亡くなった人の所得は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に準確定申告をします。

まとめ

この記事の要点
  • 在庫・売上金・事業用の預金は相続財産で、仕入れの未払いは差し引ける
  • アカウントを引き継げるかはサービスの規約しだいなので、まず運営会社に連絡する
  • 続ける人は開業の届け出(1か月以内)と、必要なら青色申告の承認申請をする
  • 準確定申告は4か月以内、閉じる前に売上や在庫の記録を保存しておく
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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