四十九日までに終わらせたい相続の準備と話し合いの切り出し方

四十九日までの相続の準備と、話し合いの切り出し方を解説する記事のアイキャッチ

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四十九日の法要が近づくと、『親戚が集まるこの日に、相続の話も出るのかな』と気になりますよね。

結論から言うと、四十九日は相続の話を「始める」のにちょうどいい日です。ただし、その日に分け方まで決めようとせず、準備した材料を見せて次の段取りを決める場にするのがおすすめです。

この記事では、四十九日までの準備と、家のケースごとの話し合いの切り出し方が分かります。

目次

四十九日に相続の話をしてもいい?

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続するケースなら、四十九日までに遺言書の有無と財産の一覧をそろえておき、法要の後に「財産はこれだけあった」と共有するところまでで十分です。分け方は、その後に改めて話し合う日を決めれば間に合います。

遺産分割には、法律上の期限がありません。四十九日までに分け方を決めないといけない、というきまりもないんです。

それでも四十九日に話を始める家が多いのは、相続人が顔をそろえる機会が少ないからです。遠方に住んでいる兄弟姉妹がいれば、なおさらですよね。

とはいえ、いつまでも先送りしていいわけではありません。2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると、生前にもらった援助(特別受益)や介護などの貢献(寄与分)を主張できなくなりました。原則は法定相続分で分けることになります。

『親の介護をずっと担ってきたのに』という思いがある方は、話し合いを長く寝かせないほうがいいんです。

ただ、四十九日の頃は、ほかの期限も近づいています。

期限のある手続き期限四十九日の頃の残り
相続放棄・限定承認相続の開始を知った時から3か月以内1か月ほど
準確定申告知った日の翌日から4か月以内2か月ほど
相続税の申告・納付知った日の翌日から10か月以内8か月ほど

『借金があったら放棄も考えたい』という家は、四十九日の場で財産と借金の状況を共有しておくと判断が早くなります。

四十九日までにそろえておきたいもの

話し合いを始める時に材料がないと、『結局いくらあるの?』で話が止まってしまいます。法要までに、次のものを準備しておきましょう。

四十九日までの準備
  • 遺言書があるかどうか(自筆の遺言書は家庭裁判所の検認が必要)
  • 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍(相続人が誰かを確かめる)
  • 預金・不動産・株・保険の一覧と、だいたいの金額
  • 借入金・ローン・未払いの税金の一覧
  • 葬儀費用の領収書と、誰が立て替えたか

葬儀費用は相続税の計算で遺産から差し引けます。ただ、四十九日の法要の費用や香典返しは葬式費用に入りません。立て替えた人がいるなら、誰がいくら払ったかもメモしておきましょう。

財産の一覧づくりや戸籍集めの順番は、亡くなって1か月が過ぎた頃に始めたい相続の手続きで詳しく紹介しています。

母と子2人の家系図に、法定相続分と四十九日までにそろえる財産の一覧を添えたケース図

家のケース別、話し合いの切り出し方

同じ四十九日でも、家族の事情で切り出し方は変わります。

ケース四十九日での切り出し方理由・注意
母と子2人・仲は悪くない法要の後の食事の席で、財産の一覧を見せて共有する分け方は日を改めて決める。急がなくていい
前の結婚で生まれた子がいる四十九日の場では話さず、手紙や専門家を通じて連絡する前の結婚の子も相続人。全員の合意がないと協議は成立しない
実家を誰が継ぐか決まっていない「実家をどうするか」だけを議題にして、次に話す日を決める住んでいる人・住みたい人・売りたい人で意見が割れやすい

母と子2人で、仲は悪くないケース

いちばん多いのは、このケースかもしれません。とはいえ、仲が良い家ほど『言い出しにくい』と感じるものですよね。

切り出す時は、「分けよう」ではなく「確認しよう」と言うと角が立ちにくくなります。

「お父さんの財産、だいたいまとめてみたから、一度みんなで見ておかない?」
「ありがとう。急がないから、分け方は来月にでもゆっくり話そう」

この一言で、話し合いのスタートが切れます。

分け方がまとまったら、遺産分割協議書を作り、相続人全員が署名して実印を押します。銀行や相続登記の手続きで使うので、口約束で終わらせないようにしておきましょう。

前の結婚で生まれた子がいるケース

戸籍を集めて初めて、前の結婚で生まれた子がいると分かることもあります。前の結婚の子も、今の家族の子と同じ相続分を持つ相続人です。

この場合、四十九日の親戚の前で話題にするのは避けたほうが無難です。連絡のしかたは、弁護士など専門家に相談してから決めておきましょう。

『会ったこともない人に、いきなり遺産の話をするなんて』と戸惑いますよね。その人を外して話し合いを進めても、協議は成立しません。最初の連絡は丁寧な手紙にして、財産の一覧も添えておくと話が進みやすくなります。

実家を誰が継ぐか決まっていないケース

実家は分けにくい財産なので、意見が割れやすいところです。最初から全部を決めようとせず、「実家をどうするか」だけを次回の議題にすると話が進みます。

配偶者が住み続ける場合は、配偶者居住権という制度もあります。使えるかどうかは専門家に確かめてみてください。

母がすべて相続すれば得?二次相続まで見た分け方

四十九日の頃によく出るのが、『とりあえずお母さんが全部相続すれば、相続税はかからないよね』という話です。

確かに、配偶者は取得した財産が1億6,000万円か法定相続分の多い方まで、相続税がかかりません。ただ、母が後で亡くなった時に、子だけの相続(二次相続)が待っています。

遺産1億円を母と子2人で相続する例で比べてみます。母自身の財産やその間の増減は考えない、単純な例です。数字は計算ツールで検算した金額です。

分け方今回の相続税母が亡くなった時(子2人で1億円または5,000万円)合計
母がすべて取得0円(申告は必要)770万円770万円
法定相続分どおり(母5,000万円・子2,500万円ずつ)子2人で合計315万円80万円395万円

1回目だけ見ると母がすべて取得するほうが安く見えます。でも、2回の相続を合わせると逆転することも。

配偶者の税額軽減を使って0円になる場合も、申告をして初めて軽減が使えます。分け方が10か月以内にまとまらない時は、法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておくと、後から軽減を受けられます。

遺産が基礎控除を超えそう、自宅の土地がある、二次相続まで考えて分け方を決めたい、というケースは税理士に頼むと楽です。分け方ごとの税額を並べてもらうと、家族で話し合う時の材料になります。

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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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家族の取り分の計算は、家族構成から取り分を計算する方法でも確認できます。

よくある質問

四十九日までに遺産分割を終わらせないといけませんか?

遺産分割に法律上の期限はありません。ただ、相続税の申告が要る家は知った日の翌日から10か月以内が期限なので、それに間に合うように話し合いを進めておきましょう。

四十九日の法要の費用は、相続税の計算で差し引けますか?

差し引けません。法要の費用や香典返し、墓石の購入費は葬式費用に含まれません。通夜や葬儀そのものの費用は差し引けます。

話し合いがまとまらない時はどうなりますか?

遺産分割は相続人全員の合意が必要です。まとまらない時は、家庭裁判所の調停、それでも難しければ審判へ進みます。

まとめ

この記事の要点
  • 遺産分割に期限はなく、四十九日は話を「始める」日にするとよい
  • 法要までに遺言書・戸籍・財産と借金の一覧をそろえておく
  • 前の結婚の子がいる家は、親戚の前で話題にせず専門家に相談
  • 母がすべて取得すると、二次相続まで合わせて税額が増えることがある
  • 四十九日の法要の費用は葬式費用として差し引けない
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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