遺言執行者は相続人と同一でもいい?長男が執行者になるケースの進め方

遺言執行者が相続人と同一でもいいかを、長男が執行者になるケースで確認する記事のアイキャッチ

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『父の遺言に「遺言執行者に長男を指定する」とあった。相続人の自分が執行者でもいいの?』。いきなり役目を任されて、戸惑っている方も多いはずです。

結論から言うと、相続人が遺言執行者を兼ねても問題ありません。ただ、兄弟との関係によっては、相続人が執行者をすることで話がこじれるケースもあります。この記事では、長男が執行者になるケースを中心に、やることと注意点を見ていきます。

目次

遺言執行者は相続人と同一でもいい?

このケースではこうなる

例えば、父が公正証書遺言で「自宅は長男、預金は長男と次男で半分ずつ」と書き、遺言執行者に長男を指定していたケースです。民法で遺言執行者になれないのは未成年者と破産者だけなので、相続人の長男がそのまま執行者になれます。長男は引き受けたらすぐ任務を始め、遺言の内容を次男に通知します。

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理や名義変更など必要な一切の行為をする人です。執行者がいる時は、他の相続人は遺言の執行を妨げる処分ができなくなります。

相続人が執行者を兼ねるかどうかで、向き不向きが分かれます。ケースごとに表にしておきますね。

ケース相続人が執行者でいい?理由・注意
兄弟の仲がよく、遺言の内容に皆が納得している向いている手続きを一人で進められ、話が早い
遺言に執行者の指定が無い家庭裁判所に選任を申し立てる相続人を候補者にして申し立てることもできる
遺言で長男だけ多くもらい、次男が不満を持っている揉めやすい長男の手続きに次男が不信感を持ちやすい。専門家に任せる道もある
不動産が遠方にあるなど、手続きが多い一部を任せる手もある執行者は自分の責任で第三者に任務を任せられる
遺言執行者を相続人が兼ねるかを、兄弟が納得・指定なし・兄弟が不満・手続きが多いの4ケースで分け、向き不向きと進め方を並べた分岐表の図

長男が遺言執行者になったら何をする?

『執行者って、具体的に何をすればいいの?』と思いますよね。やることの順番はこうです。

長男が遺言執行者になった時の進め方
  1. 就職を承諾したら、すぐ任務を始める
  2. 遅滞なく、遺言の内容を他の相続人に通知する
  3. 相続財産の目録を作り、相続人に渡す
  4. 遺言どおりに預金の払い戻し・解約や、不動産の相続登記を進める
  5. 終わったら、相続人に結果を報告する

相続人への通知はどうする?

相続人への通知は、民法で遺言執行者の義務とされています。例えば、こんな連絡になります。

「父さんの遺言で、自分が遺言執行者になった。遺言の写しを送るね」
「財産の一覧もできたら送るから、目を通しておいて」

通知の形式は法律で決まっていませんが、後で「聞いていない」と言われないよう、遺言の写しと一緒に書面で送っておくと安心です。財産の目録も、相続人から求められたら立ち会いのもとで作る必要があります。

遺言で多くもらう長男が、自分の取り分の手続きを自分で進めることになります。だからこそ、通知と目録で中身を見せておくことが、兄弟の不信感を防ぐ近道なんです。外された兄弟がいる時の考え方は遺言で兄弟が外されたケース別の記事も参考にしてみてください。

執行者の指定が無い・兄弟ともめるケースは?

遺言に執行者の指定が無く、手続きに執行者が必要な時は、家庭裁判所に選任を申し立てます。申立先は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所で、遺言書1通につき収入印紙800円分と郵便切手がかかります。詳しくは裁判所 遺言執行者の選任で確認できます。

兄弟ともめているケースでは、執行者が任務を怠った時など正当な理由があれば、他の相続人は家庭裁判所に解任を求められます。執行者の側も、正当な理由があれば家庭裁判所の許可を得て辞められます。話し合いで解決しない時は相続の調停のケース別の流れに進むことも。

遺言執行者の報酬は?

報酬は、遺言に定めがあればそれに従い、無ければ家庭裁判所が財産の状況などを見て定めることができます。相続人が兼ねる時に報酬を受け取るかは、兄弟で話し合っておくと揉めにくいです。

執行の手続きと並んで、相続税の申告期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産に土地がある、遺留分を請求されそう、といったケースは、執行と並行して相続税に詳しい税理士に申告を頼むと、長男一人で抱え込まずに済みます。

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よくある質問

遺言執行者は相続人と同一でもいいですか?

問題ありません。民法で遺言執行者になれないのは未成年者と破産者だけです。相続人や遺言で財産をもらう人も執行者になれます。

遺言執行者は相続人に通知しないといけませんか?

はい。任務を始めたら遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知する義務があります。相続財産の目録も作って相続人に渡します。

遺言執行者を辞めたい時はどうすればいいですか?

正当な理由があれば、家庭裁判所の許可を得て辞められます。専門家に手続きの一部を任せる方法もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 遺言執行者になれないのは未成年者と破産者だけ。相続人が兼ねてもよい
  • 執行者は任務を始めたら、遺言の内容を相続人に通知し、財産目録を渡す
  • 指定が無い時は家庭裁判所に選任を申し立てる(収入印紙800円分と郵便切手)
  • 兄弟ともめる時は、通知と目録で中身を見せ、専門家に任せる道も考える
  • 執行と並んで相続税の申告期限10か月にも気をつける
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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