遺族厚生年金を請求する手順と年金事務所に持っていく物

遺族厚生年金を請求する手順と年金事務所に持っていく物を解説する記事のアイキャッチ

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夫が亡くなり、これからの生活費が心配。遺族年金がもらえると聞いたけれど、どこで何を出せばいいのか分からない、という方も多いはずです。

結論から言うと、遺族厚生年金は年金事務所か街角の年金相談センターに、年金請求書と戸籍・住民票などを出して請求します。亡くなった人の働き方と、あなたの家族の状況で、受け取れる年金の組み合わせが変わります。

この記事では、家族の状況ごとに、請求の手順と持っていく物を見ていきます。

目次

遺族厚生年金は、わが家の場合もらえる?

このケースではこうなる

会社員として厚生年金に入っていた夫が亡くなり、生計を維持されていた妻と18歳になった年度末までの子がいるケースなら、妻は「子のある配偶者」として遺族厚生年金を受け取れます。条件を満たせば遺族基礎年金も合わせて受け取れます。請求は、年金請求書(様式第105号)に戸籍・住民票・収入の分かる書類などを添えて、年金事務所に出します。

遺族厚生年金は、次のどれかに当てはまる人が亡くなった時に、その人に生計を維持されていた遺族に支給されます。

  • 厚生年金保険に入っている間に亡くなった
  • 厚生年金に入っている間に初診日がある病気やけがで、初診日から5年以内に亡くなった
  • 1級・2級の障害厚生年金を受け取っていた
  • 老齢厚生年金の受給資格を満たしていた

入っている間に亡くなったケースなどでは、保険料の納付期間についての要件もあります。

『会社を辞めて何年もたっていたら、もらえないのでは?』と思いますよね。

実は、老齢厚生年金を受け取っていた人や、受給資格を満たしていた人が亡くなった場合も対象になります。すでに年金生活だった夫が亡くなったケースでも、請求できることがあるんです。

家族の状況で、受け取れる人と期間が変わる

受け取れる遺族には順位があり、上の人が受け取ります。

ケース受け取る人理由・注意
会社員の夫が亡くなり、妻と高校生の子がいる妻(子のある配偶者)遺族基礎年金も合わせて受け取れることがある
年金を受け取っていた夫が亡くなり、子のいない妻が残った妻(子のない配偶者)子のない配偶者は第3順位。配偶者・子がいなければ父母、孫、祖父母の順
夫が亡くなり、子のいない30歳未満の妻が残った妻受け取れるのは5年間だけ
独身の子が亡くなり、親が残った父母(55歳以上)支給が始まるのは60歳から

ここでいう「子」は、18歳になった年度の3月31日までの子か、20歳未満で障害等級1級・2級の子です。

年金額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が目安です。厚生年金に入っている間に亡くなったケースなどで、加入期間が300月に満たない時は、300月あったものとして計算されます。

亡くなった人と残された家族の関係から、遺族厚生年金を受け取る人を示した家系図

遺族厚生年金を請求する手順

全体の流れは次のとおりです。

遺族厚生年金を請求する流れ
  1. 死亡届を出す(死亡を知った日から7日以内)
  2. 年金を受け取っていた人なら、受給停止の手続きをする(厚生年金は10日以内)
  3. 年金事務所か街角の年金相談センターに相談の予約をする
  4. 年金請求書(様式第105号)と添付書類をそろえる
  5. 年金事務所などの窓口に提出する
  6. 審査のあと、年金証書と決定通知書が届く

年金請求書は、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口に置いてあります。日本年金機構のホームページには、書き方を説明した動画もあります。

相談は予約しておくと、待ち時間が短く済みます。持っていく書類を電話で確認できるのも助かりますよね。

未支給年金も、一緒に請求しておく

亡くなった人が年金を受け取っていたなら、亡くなった月の分までの未支給年金も請求できます。

遺族厚生年金の請求と同じ窓口で手続きできるので、一緒に済ませておきましょう。未支給年金の時効は5年です。市役所などで請求できるほかのお金は親の死亡後にもらえるお金の一覧にまとめています。

年金事務所に持っていく物

持っていく書類は、次のとおりです。

遺族厚生年金の請求で持っていく物
  • 年金請求書(様式第105号)
  • 戸籍謄本(記載事項証明書)または法定相続情報一覧図の写し
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 亡くなった人の住民票の除票(世帯全員の住民票に含まれていれば不要)
  • 請求する人の収入が分かる書類(所得証明書、課税・非課税証明書、源泉徴収票など)
  • 子の収入が分かる書類(義務教育を終える前の子は不要)
  • 死亡診断書のコピーか、死亡届の記載事項証明書
  • 年金を受け取る金融機関の通帳など

戸籍謄本と住民票は、受給権が発生した日(通常は亡くなった日)以降に取ったもので、提出日から6か月以内に交付されたものが必要です。

『早めに取っておこう』と思って、亡くなる前の日付の戸籍を使ってしまうと出し直しになります。取る時期には気をつけてください。

マイナンバーを書けば省ける書類がある

請求する人が亡くなった人の配偶者か子なら、年金請求書にマイナンバーを書くことで、戸籍謄本の添付を省けます。世帯全員の住民票や、請求する人の収入が分かる書類も、マイナンバーの記入で省ける場合があります。

例えば、窓口ではこんなやりとりになることも。

「戸籍は銀行の手続き用に1通しか取っていないんです」
「配偶者の方なので、請求書にマイナンバーを書いていただければ添付は要りません」

戸籍を何通も取る代わりに、法定相続情報一覧図の写しを使う方法もあります。法務局で無料で交付されるので、銀行や相続登記の手続きにも使い回せます。書類集めをまとめて進めるコツは相続手続きを早く終わらせる段取りも参考にしてみてください。

交通事故などで亡くなった時

第三者の行為による事故で亡くなった時は、第三者行為事故状況届や交通事故証明などの書類も追加で要ります。

損害賠償を受けている時は、示談書など受け取った額が分かる物も求められます。事前に年金事務所へ確認しておきましょう。

遺族年金と相続の手続き、どう関係する?

遺族年金は、遺族の固有の権利として受け取るお金です。遺産分割の対象にはなりません。

ケース税金の扱い理由・注意
遺族厚生年金・遺族基礎年金を受け取る相続税も所得税もかからない遺産の合計額にも入れない
未支給年金を受け取る相続税はかからない受け取った遺族の一時所得として所得税の対象
夫の預金・自宅・生命保険金を相続する合計が基礎控除を超えると相続税の対象生命保険金は500万円×法定相続人の数まで非課税

例えば、妻と子2人が相続人なら、相続税の基礎控除は4,800万円です。遺族年金はこの計算に入らないので、預金や自宅、生命保険金の額で申告が要るかを考えます。

配偶者の税額軽減を使えば妻の相続税は0円になることも多いですが、その場合も申告は必要です。

遺族年金と相続財産で税金の扱いが分かれる様子を示した財産の内訳図

自宅の土地に小規模宅地等の特例が使えるか、夫の財産が基礎控除を超えそうかを含めて確認したいケースなら、税理士に相談すると見通しが立ちやすくなります。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

遺族厚生年金の請求に期限はありますか?

年金を受ける権利には時効があり、請求が遅れると古い分から受け取れなくなることがあります。死亡届や受給停止の手続きが済んだら、早めに請求しておきましょう。

夫の年金で暮らしていましたが、私にもパート収入があります。それでももらえますか?

生計を維持されていたかは、収入などで判定されます。請求の時に収入が分かる書類を出すので、自分が当てはまるかは年金事務所で確認してみてください。

年金事務所に行けない時は、どうすればいいですか?

街角の年金相談センターでも請求できます。窓口に行くのが難しい事情がある時は、年金事務所に電話で相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 遺族厚生年金は、年金請求書(様式第105号)に戸籍・住民票・収入の分かる書類などを添えて、年金事務所か街角の年金相談センターで請求する
  • 受け取る遺族には順位がある。子のある配偶者が第1順位、子のない30歳未満の妻は5年間だけ
  • 戸籍謄本と住民票は、亡くなった日以降に取ったもので、提出日から6か月以内のものを使う
  • 配偶者・子が請求する時は、マイナンバーの記入で戸籍の添付を省ける
  • 遺族年金は相続税も所得税もかからないが、未支給年金は所得税の対象
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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