共有持分とは?相続で兄弟の共有になった時にできることとできないこと

共有持分の意味と相続で兄弟の共有になった時にできることを説明する記事のアイキャッチ

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親の家を兄弟で相続したら、名義が「持分2分の1ずつ」になっていた。『これって自分の判断でどこまで動けるの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、修理は1人でできますが、貸すには持分の過半数、家全体を売るには全員の同意が要ります。この記事では、兄弟2人と3人のケースで、できることとできないことの違いを見ていきます。

目次

兄弟の共有になった実家、1人で決められることは?

このケースではこうなる

実家を兄弟2人が2分の1ずつで共有した場合、雨漏りの修理のような保存行為は1人でできます。ところが、人に貸すような管理の決定は「持分の過半数」が必要なので、2分の1の兄だけでは決められません。家全体の売却には2人の同意が要ります。

共有持分の意味は、1つの不動産を何人かで持つ時の、それぞれの持ち分の割合のことです。相続人が複数いると、遺産を分けるまで相続財産はその全員の共有になり、法定相続分がそのまま各人の持分になります。

持分の権利は「家の右半分」のような場所の区切りではありません。家全体に対して、割合に応じて権利を持っている状態なんです。

民法のルールを、やりたいことごとに並べるとこうなります。

やりたいこと例必要な同意
保存行為雨漏りの修理、壊れた窓の交換各共有者が1人でできる
管理行為人に貸す、管理を任せる人を選ぶ持分の価格の過半数
形や効用が大きく変わらない変更外壁の塗り直しなど持分の価格の過半数
大きな変更建て替え、家全体の売却共有者全員
自分の持分だけを売る兄が自分の2分の1を売る自分1人でできる

2023年4月1日施行の改正民法で、形や効用が大きく変わらない変更は、全員でなく過半数で決められるようになりました。

兄弟2人で2分の1ずつ、3人で3分の1ずつ共有した時に、誰の賛成で何が決まるかを示した家系図

2人で半分ずつと、3人で3分の1ずつでは何が変わる?

ここが大事なところです。過半数は「半分を超える」ことなので、2分の1ちょうどでは足りません。

ケース人に貸したい時家全体を売りたい時
兄弟2人で2分の1ずつ、弟が反対兄だけでは過半数に届かず決められない2人の同意が要るので売れない
兄弟3人で3分の1ずつ、1人が反対2人が賛成すれば3分の2で過半数になり決められる3人全員の同意が要るので売れない
兄が3分の2、弟が3分の1兄1人で過半数になり決められる弟の同意も要る

兄弟2人で半分ずつの共有は、意見が分かれると何も決まらない形になりやすいんです。

「空き家のままだと傷むし、貸そうよ」

「貸したら戻ってこられないから嫌だ」

こうなると、貸すことも売ることも止まってしまいます。共有で相続する時は、こうした場面を先に想像しておきましょう。

共有で困るのはどんな時?売却や住み続ける場合の制限

『自分の持分だけなら自由に売れるんでしょ?』と思う方もいるはずです。確かに持分だけの売却は1人でできます。ただ、家の一部の権利だけを買いたい人は限られ、思った値段にならないことが多いんです。

兄弟の1人が実家に住み続けるケースもありますよね。民法では、共有物を使う人は、別の取り決めがない限り、自分の持分を超えて使った分の対価を他の共有者に払う義務を負います。

固定資産税などの費用も、各共有者が持分に応じて負担します。住んでいない側だけが払い続けると、不満がたまりやすい場面です。

共有をやめたい時は、いつでも共有物の分割を求められます。話し合いがまとまらなければ、裁判所に分割を請求できます。遺産分割の前なら、まずは遺産分割協議の中で誰が取得するかを決めるのが基本です。

共有で相続する前に話しておきたいこと
  • 将来、売るのか住むのか貸すのかを決めておく
  • 住む人がいる場合、他の兄弟への対価や費用の分担をどうするか
  • 1人が取得して他の兄弟にお金を払う形にできないか
  • 誰かが亡くなった時、その持分がさらに次の相続人へ分かれること

相続した家を売って現金で分けるなら、相続税の申告期限の翌日から3年以内の売却で使える取得費加算の特例もあります。詳しくは取得費加算の特例で見てみてください。

共有のまま相続登記をする場合も、取得したことを知った日から3年以内に登記する義務があります。期限については相続登記の義務化でやることで説明しています。

兄弟で分け方の意見が違う、共有をやめて売却したい、売った後の税金も知りたい。そんなケースは、相続税と譲渡の税金をまとめて見られる税理士に相談すると話が早く進みます。

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よくある質問

共有持分の相続で、持分の割合はどう決まりますか?

遺産分割の前は、法定相続分がそのまま各人の持分になります。遺産分割協議で、別の割合や1人の単独名義にすることもできます。

共有の家を人に貸すには全員の同意が要りますか?

建物の賃貸借は3年を超えないものであれば管理行為として、持分の価格の過半数で決められます。それより長い賃貸借は、全員の同意が必要になります。

共有者の1人が連絡を取れない時はどうなりますか?

所在の分からない共有者がいる場合に、裁判所の手続きで他の共有者だけで決められる制度があります。使えるかどうかは事情によるので、専門家に確認してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 共有持分は、1つの不動産を何人かで持つ時の割合で、相続では法定相続分が持分になる
  • 修理などの保存行為は1人で、貸すなどの管理は持分の過半数で決める
  • 建て替えや家全体の売却には共有者全員の同意が要る
  • 兄弟2人で半分ずつだと、1人だけでは過半数に届かない
  • 共有で住む人は、持分を超えた分の対価を払う義務を負うことがある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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