政治家は相続税がかからない?一般家庭のケースと比べて仕組みを確認

政治家の相続税の仕組みを一般家庭のケースと比べて確認する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

「政治家は世襲すれば相続税がかからないらしい」。そんな話を聞いて、もやもやした気持ちになった方も多いですよね。

結論から言うと、政治家だからという理由で相続税が免除される仕組みはありません。ただ、政治団体が持っているお金は、政治家本人の相続財産に入らないんです。

この記事では、一般家庭のケースと並べながら、どこが違うのかを確認していきます。

目次

政治家は本当に相続税がかからないの?

このケースではこうなる

例えば、政治家の父が亡くなり、妻と子2人が父名義の預金や自宅など1億円を相続するケースです。法定相続分どおりに分ければ相続税は合計315万円で、一般家庭とまったく同じ計算になります。一方、父が代表だった政治団体に残っているお金は父個人の財産ではないので、この1億円には入りません。

相続税は、相続や遺贈で財産を受け取った個人にかかる税金です。亡くなった人が政治家でも会社員でも、本人名義の預金・不動産・株は同じように相続財産になります。

『じゃあ、なんで「政治家は相続税なし」と言われるの?』と思いますよね。

ポイントは、政治団体のお金が誰のものか、という点です。政治団体の財産は、政治家個人の財産ではなく、政治団体の財産として扱われます。

そのため、政治家本人が亡くなっても、政治団体に残ったお金は本人の相続財産として計算されません。後を継いだ人が政治団体の代表になれば、そのお金を政治活動に使い続けられます。

これが「世襲なら相続税がかからない」と言われる理由です。

一般家庭と政治家、ケースで比べると

『うちは政治家じゃないから関係ない』と思うかもしれません。でも実は、一般家庭にも「名義は誰か」で相続税の扱いが変わる場面があります。並べてみると違いがよく分かります。

ケース相続税の扱い理由・注意
政治家本人名義の預金・自宅かかる一般家庭と同じく相続財産になる
政治団体に残った政治資金本人の相続財産に入らない政治家個人ではなく政治団体の財産
一般家庭で、親が子名義で積み立てた預金かかる実質は親の財産なので名義預金として相続財産
一般家庭の家業の会社が持つ財産会社の株として相続財産に入る会社の財産そのものではなく、親が持つ株を評価する
政治家本人名義の財産・政治団体の資金・一般家庭の名義預金・家業の会社の株が、相続財産に入るかどうかを並べたケース別の分岐表

一般家庭では、子どもの名義にしていても、親が通帳や印鑑を管理していれば名義預金として相続財産に入ります。名前を変えただけでは、相続税は逃れられないんです。

家業の会社も同じです。会社名義の財産は会社のものですが、親が持っている株は相続財産になります。

政治団体の場合は、会社の株にあたる「本人の持ち分」がふつうはありません。ここが、一般家庭との大きな違いです。

「うちも会社を作れば相続税はかからない?」
「会社の株が親の財産になるから、そう簡単にはいかないよ」

こんな会話になることもありますよね。一般家庭での実際の負担は、家族構成から取り分を計算する方法で確かめられます。

政治団体への寄附に贈与税はかかる?

『生きているうちに政治団体へお金を移せば、税金がかからないの?』という疑問もあると思います。

国税庁の相続税法基本通達21の3-9では、政治団体が個人から政治資金として受け取ったお金について、扱いを定めています。政治団体が公益を目的とする事業を行う者に当たり、政治資金に使うことが確実な場合は、贈与税の課税価格に入れないとされています(国税庁 相続税法基本通達 第21条の3関係)。

選挙の候補者が選挙運動のために個人から受け取ったお金も、公職選挙法の報告をしたものは贈与税の対象外です(相続税法第21条の3)。

ただし、これは政治資金として使うことが条件の扱いです。一般の人が相続対策のために団体を作っても、同じ扱いになるとは限りません。

一般家庭で同じように「お金を誰の名義にするか」を考えるなら、暦年贈与の年110万円の基礎控除や、生前贈与加算のルールをふまえて進めることになります。

遺産が基礎控除を超えそう、自宅や土地がある、名義預金が混ざっていそう。そんなケースは、相続税に詳しい税理士に一度試算してもらうと、生前にできることと相続後の手続きの両方が見えてきます。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

国会議員の政治団体については国会議員と政治団体の仕組みの記事で、日本の相続税への疑問は日本の相続税は高いと感じるケースの記事でも見ています。

よくある質問

政治家の相続税が免除される法律はありますか?

ありません。政治家本人名義の財産には、一般家庭と同じように相続税がかかります。かからないのは、政治団体の財産が本人の相続財産に入らないためです。

一般家庭の相続税はいくらかかりますか?

例えば遺産1億円を妻と子2人で法定相続分どおりに分けると合計315万円、子1人で遺産3億円を相続すると9,180万円です。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。

政治団体の代表を引き継ぐと、相続税はかかりますか?

政治団体の財産は個人の財産ではないので、代表を引き継いだこと自体で相続税の対象になる財産を受け取ったことにはなりません。ただ、亡くなった人の個人名義の財産は、ふつうに相続税の対象です。

まとめ

この記事の要点
  • 政治家だからという理由で相続税が免除される仕組みはない
  • 政治家本人名義の預金・自宅には、一般家庭と同じ計算で相続税がかかる
  • 政治団体の財産は本人の相続財産に入らず、後継者が代表を継げば使い続けられる
  • 一般家庭の名義預金や家業の株は、相続財産として課税される
  • 政治団体への寄附の扱いは、政治資金として使うことが条件
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次