当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
葬儀が終わって少し落ち着いたころ、『健康保険から何かお金が出るって聞いたけど、誰がもらえるの?』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、亡くなった人が入っていた健康保険の種類で、受け取れる給付と受取人が決まります。この記事では、家族の状況ごとに誰が何を申請するのかを見ていきます。
亡くなった家族の場合、誰が何をもらえる?
年金生活の父が国民健康保険か後期高齢者医療制度に入っていたなら、葬儀を行った人(喪主など)が市区町村に「葬祭費」を申請します。会社の健康保険に入っていた人が亡くなったなら、生計を維持されていて埋葬を行う家族に「埋葬料」5万円が出ます。どちらも申請できるのは2年以内です。
ポイントは、亡くなった人の保険証がどこの物だったかなんです。
国民健康保険と後期高齢者医療制度は、葬祭費の金額を市区町村(後期高齢者医療は広域連合)が条例で決めています。だから、住んでいた地域によって金額が違います。
一方、会社の健康保険の埋葬料は、政令で5万円と決まっています。こちらは地域による差がありません。
| ケース | 給付の名前 | 受け取る人 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 年金生活の父が亡くなった(国保または後期高齢者医療) | 葬祭費 | 葬儀を行った人(喪主など) | 市区町村・広域連合の条例で決まる |
| 会社員の父が在職中に亡くなった(会社の健康保険) | 埋葬料 | 父に生計を維持されていて埋葬を行う家族 | 5万円 |
| 会社員の夫の扶養に入っていた妻が亡くなった | 家族埋葬料 | 被保険者である夫 | 5万円 |
| 一人暮らしの会社員の兄が亡くなり、生計を頼っていた家族がいない | 埋葬費 | 実際に埋葬を行った人 | 5万円の範囲内で、埋葬にかかった費用 |

例えば、父が75歳以上で後期高齢者医療制度に入っていて、長男が喪主を務めたケース。この場合は長男が、父が住んでいた市区町村の窓口で葬祭費を申請します。
喪主ではない家族や、扶養の家族はどうなる?
『葬儀代を出したのは私なのに、喪主じゃないともらえないの?』という声もありますよね。
国民健康保険の葬祭費は、葬儀を行った人に支給するのが一般的です。誰を「葬儀を行った人」と見るかは市区町村の決め方によるので、領収書の宛名や会葬礼状の喪主名が確認されることがあります。
申請の前に、窓口で必要な書類を聞いておきましょう。
会社の健康保険の場合は、少し考え方が違います。埋葬料は「亡くなった人に生計を維持されていた人で、埋葬を行う人」に出ます。
例えば、会社員の父の収入で暮らしていた母が葬儀を出したなら、母が受取人です。
反対に、亡くなったのが扶養に入っていた家族の場合は、保険に入っている本人が「家族埋葬料」を受け取ります。
「妻が亡くなった時って、夫の会社の健康保険から何か出るの?」
「扶養に入っていたなら、家族埋葬料として5万円が出るよ」
こんな会話のように、扶養の家族が亡くなった時も給付があるんです。見落としやすいので覚えておいてください。
申請はいつまで?相続の手続きとの関係は?
葬祭費も埋葬料も、受け取る権利は2年で時効になります。
『葬儀のあと、いろいろありすぎて忘れていた』ということも珍しくありません。ただ、2年以内なら申請できるので、気づいた時点で窓口に問い合わせてみてください。
- 亡くなった人の保険証(国保・後期高齢者医療は資格喪失の届出と一緒に返すことが多い)
- 葬儀の領収書や会葬礼状など、葬儀を行った人が分かるもの
- 受け取る人の口座が分かるもの
- 死亡の事実が分かる書類(埋葬料は保険者の指定に従う)
国保と後期高齢者医療は、亡くなってから14日以内に資格喪失の手続きがあります。このタイミングで葬祭費もまとめて申請すると、窓口に行く回数を減らせますよ。
もう1つ知っておきたいのが、相続税との関係です。葬式費用は、相続税を計算する時に遺産から差し引けます。
ただし、香典返しや四十九日などの法要の費用、墓石の購入費は葬式費用に入りません。
| ケース | 葬式費用として差し引けるか |
|---|---|
| 通夜・告別式の費用、火葬の費用 | 差し引ける |
| 香典返し | 差し引けない |
| 四十九日などの法要 | 差し引けない |
| 墓石の購入費 | 差し引けない(墓石は非課税財産) |
遺産が多くて相続税がかかりそうな家庭では、葬儀の領収書をなくさず保管しておくことが大事です。
亡くなった人の年金の手続きも同じ時期に必要になります。止め忘れた時の対処は親の年金停止の手続きを忘れた時の対処でまとめています。
国民年金だけに入っていた夫が亡くなったケースは、国民年金だけの夫が亡くなった時に妻がもらえるお金も参考にしてみてください。
相続税の申告が必要になりそう、葬式費用をどこまで差し引けるか分からない。こんなケースは、計算の前提を税理士に確認すると安心です。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
よくある質問
葬祭費と埋葬料は両方もらえますか?
両方はもらえません。亡くなった人が国民健康保険か後期高齢者医療制度なら葬祭費、会社の健康保険なら埋葬料と、入っていた保険で決まります。
葬祭費の金額はどこで確認できますか?
亡くなった人が住んでいた市区町村(後期高齢者医療は都道府県ごとの広域連合)の条例で決まっています。役所の保険の窓口かホームページで確認できます。
2年を過ぎたらもう申請できませんか?
葬祭費・埋葬料を受け取る権利は、申請できる時から2年で時効により消えます。期限が近い場合は、書類がそろっていなくても先に窓口へ相談してみてください。
まとめ
- 国保・後期高齢者医療なら葬祭費、会社の健康保険なら埋葬料
- 葬祭費は葬儀を行った人が申請し、金額は市区町村などの条例で決まる
- 埋葬料は生計を維持されていて埋葬を行う家族に5万円
- 扶養の家族が亡くなった時は、被保険者に家族埋葬料5万円
- 申請できるのは2年以内。葬式費用は相続税の計算で差し引ける




