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親が亡くなってしばらくして、税務署から「相続税についてのお尋ね」という書類が届いた。『うちは相続税がかかるってこと?』『何を書けばいいの?』と戸惑っている方も多いはずです。
結論から言うと、お尋ねが届いたからといって相続税がかかると決まったわけではありません。この記事では、財産の額ごとに「何を答えればいいか」が変わるところを、ケースで見ていきます。
相続税のお尋ねが届いたら、相続税がかかるの?
お尋ねは、税務署が「申告が必要かもしれない家庭」に送る確認の書類です。遺産が基礎控除以下なら、財産の内訳を書いて申告不要と回答すれば済みます。基礎控除を超える、または特例を使って0円になる場合は、回答とは別に申告書の準備が必要です。
税務署には、死亡届をきっかけに亡くなった人の土地や家屋の情報が届きます。その情報などから、申告が要りそうな家庭にお尋ねが送られるんです。
つまり、お尋ねが来た時点では、税務署もまだ「かかるかどうか」を確かめている段階です。慌てずに、まず財産の合計を出してみましょう。
税務署に情報が届く仕組みは、相続税の申告をしないとバレるかの解説で詳しく見ています。
遺産の額によって、答え方はどう変わる?
例えば、母が亡くなり(父はすでに他界)、子2人が相続するケースで比べてみます。法定相続人は2人なので、基礎控除は4,200万円です。
| ケース | 課税価格の合計 | 相続税 | お尋ねへの対応 |
|---|---|---|---|
| 遺産3,800万円 | 3,800万円 | 0円 | 内訳を書いて申告不要と回答 |
| 遺産5,000万円 | 5,000万円 | 80万円(1人40万円) | 申告と納付の準備をする |
| 自宅の特例を使うと0円 | 特例後で判断 | 0円 | 申告書を出して特例を使う |

遺産3,800万円なら、基礎控除4,200万円を下回るので相続税はかかりません。お尋ねには財産の内訳を書いて、申告が不要なことを伝えれば十分です。
一方、遺産5,000万円だと課税遺産総額は800万円で、相続税は80万円になります。この場合は、お尋ねに答えるだけでは終わりません。亡くなった日の翌日から10か月以内に、申告と納付が必要です。
『3,800万円と5,000万円の間くらいで、自分ではよく分からない』という方もいますよね。境目の考え方は遺産がいくらから相続税がかかるかで人数別に確かめられます。
自宅の特例で0円になる時は何と答える?
ここが一番迷いやすいケースです。例えば、父が亡くなり、同居していた子1人が相続するケース。財産は自宅の土地4,000万円(330㎡以内)、建物300万円、預金1,700万円で、合計6,000万円とします。
基礎控除は3,600万円なので、特例を使わないと相続税は310万円です。小規模宅地等の特例を使えば土地の評価が80%減って800万円になり、課税価格は2,800万円。基礎控除を下回るので0円になります。
| ケース | 課税価格の合計 | 相続税 | 申告 |
|---|---|---|---|
| 特例を使わない | 6,000万円 | 310万円 | 必要 |
| 小規模宅地等の特例を使う | 2,800万円 | 0円 | 必要(特例は申告が条件) |
『0円になるなら、お尋ねに申告不要と書けばいいのでは?』と思いますよね。ただ、特例は申告して初めて使えるので、このケースは申告が必要です。お尋ねに「申告不要」と答えてしまうと、話が食い違ってしまいます。
「特例で0円だから、何も出さなくていいよね?」
「いや、0円にするためには申告書を出さないといけないんだって」
こんな行き違いは本当によくあります。特例を使うケースでは、お尋ねへの回答よりも申告の準備を優先しましょう。特例の要件を満たすかは、税理士に確認してみてください。
お尋ねの回答はどう書けばいい?
国税庁の相続税の申告要否判定コーナーは、相続財産の金額などを入力して申告のおおよその要否を判定するものです。税務署から相続についてのお尋ねが届いた人が、回答を作る時にも使えると案内されています。
- 通帳・固定資産税の通知書・保険証券など、財産の資料を集める
- 預金・土地・建物・株・保険金などを、亡くなった日の金額で書き出す
- 借入金や葬式費用など、差し引けるものを書き出す
- 申告要否判定コーナーなどで、基礎控除を超えるかを確かめる
- 申告不要なら内訳を書いて返送、申告が要るなら申告の準備に進む
書く時に迷いやすいのが、家族名義の預金です。名義が子どもでも、実際は亡くなった親のお金だった場合は、相続財産に含めて考えます。
生命保険金は、500万円 × 法定相続人の数までは非課税です。子2人なら1,000万円まで非課税になるので、受け取った額と非課税枠の両方を確かめておきましょう。
差し引けるものも忘れずに書いておきましょう。借入金や未払いの税金、葬式費用は遺産から差し引けます。ただ、香典返しや四十九日の法要、墓石の購入費は葬式費用に入りません。
例えば、遺産4,500万円の家庭で、子2人のケース。お葬式に300万円かかり、未払いの入院費などの債務が100万円あったなら、差し引いた後は4,100万円です。基礎控除4,200万円を下回るので、申告は要りません。
差し引くかどうかで結論が変わるケースもあるので、領収書や請求書はまとめて残しておくと安心です。
兄弟が何人もいる時は、誰が回答する?
お尋ねは、相続人のうちの1人に届くことが多いです。届いた人が代表して書くとしても、財産の内訳はほかの相続人とも共有しておきましょう。
「兄さんのところにお尋ねが来たって」
「親の口座、私も一つ知ってるから伝えておくね」
兄弟それぞれが知っている口座や保険があることも。全員で持ち寄ってから書くほうが、あとで漏れに気づくことを防げます。
お尋ねを出さないとどうなる?
『忙しくて放っておいたけど、大丈夫?』と心配な方もいますよね。返さないままだと、税務署は申告が必要かどうかを判断できません。そのため、電話や書面での問い合わせが来たり、調査につながったりすることもあります。
申告が要らないケースなら、回答して終わりにしたほうが気持ちも楽です。申告が要るケースなら、なおさら早めに動いておきましょう。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税がかかることがあります。
土地がある、特例を使うかどうかで結論が変わる、相続人が多くて財産の把握に時間がかかる。こうしたケースは、お尋ねの回答と申告をまとめて税理士に頼むと楽です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
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よくある質問
相続税についてのお尋ねが届いたら、申告しないといけませんか?
いいえ。遺産が基礎控除以下で特例も使わないなら、申告は不要です。財産の内訳を書いて、申告不要と回答すれば済みます。
小規模宅地等の特例で0円になる場合、お尋ねにはどう答えますか?
特例は申告して初めて使えるので、申告書の提出が必要です。お尋ねに申告不要と書かず、申告の準備を進めましょう。
お尋ねの回答に財産の金額が分からないものがある時は?
土地は固定資産税の通知書、預金は亡くなった日の残高証明書などで確かめます。評価が難しい土地や株がある時は、税理士に相談してみてください。
まとめ
- お尋ねは申告が必要かどうかを確かめる書類で、届いても相続税がかかるとは限らない
- 子2人・遺産3,800万円なら基礎控除4,200万円以下で、申告不要と回答すれば済む
- 子2人・遺産5,000万円なら相続税80万円で、申告と納付が必要
- 自宅の特例で0円になる場合も申告が必要なので、申告不要と答えない
- 回答には国税庁の申告要否判定コーナーも使える




