負担付遺贈とは?ペットの世話などを条件にする遺言

ペットの世話などを条件に財産を渡す負担付遺贈の意味を解説する記事のアイキャッチ

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『自分が先にいなくなったら、この子(ペット)はどうなるんだろう』と心配している方は多いですよね。

結論から言うと、「世話をしてくれることを条件に財産を渡す」負担付遺贈という遺言の書き方があります。この記事では、ペットや家族の世話を条件にしたケースで、受け取る側・頼む側それぞれの注意点を見ていきます。

目次

「犬の世話を条件に預金を渡す」はできる?

このケースの結論

できます。遺言で「友人に預金を遺贈する。その代わり愛犬の世話を最後までしてほしい」と書くのが負担付遺贈です。受け取った人は、もらった財産の価額を超えない範囲で世話をする義務を負います。気が進まなければ遺贈ごと放棄もできます。

ペットは法律上「物」として扱われるので、ペット自身に財産を残すことはできません。そこで、世話をしてくれる人に財産を渡し、その人に世話を約束してもらう形をとるんです。

負担付遺贈は、遺贈に「条件のような義務」をセットにしたものです。義務の内容は、ペットの世話のほか、家族の介護、借入金の返済、特定の人への支払いなどいろいろ考えられます。

ケース遺贈するもの付ける負担注意
一人暮らしで犬を飼っている友人に預金犬の飼育と通院引き受けてくれるか事前に話しておく
夫が亡くなった後の妻の生活が心配長男に自宅の土地母が亡くなるまで同居して介護介護の中身を具体的に書く
自宅にローンが残っている次女に自宅残りのローンを払うローン額が自宅の価額を超えると負担しきれない
ペットの世話・家族の介護・ローン返済を条件にした負担付遺贈の3つのケースを、遺贈する財産と負担の組み合わせで並べた分岐表

負担の書き方があいまいだと、受け取った人も何をすればいいのか分かりません。「散歩は1日2回」のような細かさまでは要りませんが、誰に何をしてほしいのかは、はっきり書いておきましょう。

受け取った人は、どこまで負担を負う?

『世話の費用がもらった額より高くなったら?』という不安もありますよね。民法1002条では、受遺者は「遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ」負担を果たせばよいとされています。

例えば、自宅を次女に遺贈して、残りのローンを払ってもらうケース。ローンが自宅の価額を上回っていても、次女が払う必要があるのは自宅の価額までです。

「もらった家より借金のほうが多かったら、自腹で払うんですか?」
「負担は、もらった財産の価額が上限です。それでも割に合わないなら、遺贈そのものを放棄する選択もあります」

放棄の方法は、遺言が割合で渡す包括遺贈か、物を決めて渡す特定遺贈かで変わります。違いは包括遺贈と特定遺贈の比較で詳しく見られます。

実は、受遺者が放棄した時は、負担で得をするはずだった人が、自分で受遺者になることもできます(民法1002条2項)。母の介護が条件だったなら、母が代わりに財産を受け取れる、というイメージです。

約束が守られない時、相続税はどう計算する?

『財産だけもらって世話をしない人だったら…』と心配になる方もいるはずです。民法1027条では、受遺者が負担を果たさない時、相続人は期間を決めて催告できます。それでも果たされなければ、家庭裁判所にその遺言の取消しを請求できるんです。

ただ、取消しの手続きは相続人が動かないと始まりません。ペットの世話のように見守る人がいないと気づきにくい負担なら、遺言執行者を指定しておくと安心です。

相続税の計算では、負担付遺贈で取得した財産は、財産の価額から負担額を差し引いた額で計算します。差し引けるのは、遺贈の時点で確実と認められる金額だけです(国税庁 相続税法基本通達11の2-7)。

ケース財産の価額負担相続税の計算に入る額
自宅3,000万円を遺贈、ローン残り500万円を払う3,000万円500万円(金額が決まっている)2,500万円
預金を遺贈、犬の世話をする預金の額金額が決まらない差し引けないことが多い

相続人でない友人や甥・姪が受け取ると、その人の税額は2割加算になります。負担の金額をどう見積もるかで税額が変わるので、ここは自己判断しにくい部分です。

遺産に不動産があってローンなどの負担が付く、受け取る人が相続人でない、遺産全体が基礎控除を超えそう。そんなケースは、税理士に申告をまとめて頼むと楽です。要件を満たすかは税理士に確認を。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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遺言の文言の決め方は、「相続させる」と「遺贈する」の使い分けもあわせて読んでみてください。

よくある質問

負担付遺贈は放棄できますか?

できます。包括遺贈なら3か月以内に家庭裁判所へ申述し、特定遺贈なら遺贈義務者に伝えれば放棄できます。

世話をしてくれる人が決まらない時はどうしますか?

引き受ける人がいないと遺言が生きません。生前に話して了解をもらい、死因贈与契約として約束しておく方法もあります。

負担を果たさなかったら財産を返してもらえますか?

相続人が催告し、それでも果たされなければ家庭裁判所に遺言の取消しを請求できます。取り消されると財産は相続人に戻ります。

まとめ

この記事の要点
  • 負担付遺贈は「世話などの義務」とセットで財産を渡す遺言
  • ペットには直接財産を残せないので、世話をする人に遺贈する
  • 受遺者の負担は、もらった財産の価額までが上限
  • 負担を果たさなければ、相続人が家庭裁判所に取消しを請求できる
  • 相続税は財産の価額から確実な負担額を引いて計算する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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