債務控除とは?相続税の計算で引ける借金と引けない費用の一覧

相続税の債務控除で引けるものと引けないものを解説する記事のアイキャッチ

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父の入院費の請求が亡くなった後に届いた。葬儀にもお金がかかった。『これって相続税の計算で引けるの?』と気になりますよね。

結論から言うと、亡くなった時点で残っていた借金や未払金、葬式の費用は、遺産から差し引けます。これを債務控除といいます。この記事では、引けるもの・引けないものの一覧と、引いた後に税額がどう変わるかをケースで見ていきます。

目次

債務控除で引けるもの・引けないものは?

このケースの結論

子2人が7,500万円の遺産を相続し、借入金600万円・未払いの入院費100万円・葬式費用300万円を負担したケース。合わせて1,000万円を引くと課税価格の合計は6,500万円になり、相続税の総額は395万円から245万円に下がります。香典返しや四十九日の費用は引けません。

国税庁の説明をもとに、よく出てくる費用を並べると次のとおりです。

費用引けるかポイント
借入金(ローン・カードローンなど)引ける亡くなった時に残っていた分
未払金(入院費・生活費の未払いなど)引ける確実と認められるもの
亡くなった人の所得税などで、死後に納めることになった税金引ける準確定申告で納める所得税など
火葬・埋葬・納骨の費用、遺体の搬送費引ける葬式費用として
お寺への読経料などのお礼引ける葬式費用として
香典返しの費用引けない
初七日・四十九日など法事の費用引けない
墓石・墓地の購入費、墓地を借りる費用引けない
生前に買ったお墓の未払代金引けないお墓が非課税財産のため
相続人の責任で生じた延滞税・加算税引けない
子2人が7,500万円を相続したケースで、借入金・未払いの入院費・葬式費用を引けるもの、香典返しと四十九日の費用を引けないものに分け、課税価格の合計6,500万円を出す計算シート

『お墓は葬式に関係あるのに、だめなんですか?』と思いますよね。実は、お墓や仏壇はそもそも相続税がかからない財産なので、それに関わる支払いも引けないんです。非課税になる物は相続税の非課税財産とは?で確認できます。

出典: 国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務、No.4129 相続財産から控除できる葬式費用

債務控除で税額はどれくらい変わる?

子2人・7,500万円のケース

例えば、母が先に亡くなり、父の遺産7,500万円を子2人が半分ずつ相続するケース。基礎控除は4,200万円です。

計算債務控除なし債務控除あり
財産の合計7,500万円7,500万円
引くもの0円借入金600万円・入院費100万円・葬式費用300万円
課税価格の合計7,500万円6,500万円
課税遺産総額3,300万円2,300万円
相続税の総額395万円245万円
子1人あたり197万5,000円122万5,000円

1,000万円を引けたことで、総額は150万円下がりました。領収書や請求書を残しておくだけで、これだけ変わることもあるんです。

妻と子1人・4,800万円のケース

例えば、夫の遺産4,800万円を妻と子1人が相続し、借入金500万円と葬式費用200万円があるケース。基礎控除は4,200万円です。

ケース課税価格の合計相続税の総額申告
債務控除を入れない4,800万円60万円必要
債務控除を入れる4,100万円0円特例を使わずに基礎控除以下なので不要

「借金があるのに、財産だけで相続税を計算していました」
「借金や葬式費用を引くと、基礎控除を下回ることもあるんです。まずは全部書き出してみてください」

引く時に気をつけることは?

債務控除の前に確認すること
  • 借入金の残高証明や請求書など、亡くなった時点の金額が分かる書類を集める
  • 葬式費用の領収書を残す。お寺へのお礼など領収書が出ないものはメモを残す
  • 誰が負担したかを決める(負担した人の課税価格から引く)

引いた人の課税価格が下がるので、相続税の按分にも響きます。割り振りの仕組みは按分割合とは?で詳しく見ています。

借入金が多くて相続放棄も迷っている、葬式費用か法事の費用か判断がつかない。そんなケースは、申告とあわせて税理士に確認すると安心です。引けるかどうかの個別の判断も相談できます。

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よくある質問

四十九日の法要の費用は債務控除で引けますか?

引けません。初七日や四十九日など法事の費用は、葬式費用に含まれないとされています。

亡くなった後に届いた入院費の請求は引けますか?

亡くなった時点で支払っていなかった入院費は、亡くなった人の未払金として引けます。請求書や領収書を残しておきましょう。

お墓のローンが残っている場合は引けますか?

生前に買ったお墓の未払代金は引けません。お墓は非課税財産なので、それに関わる債務も差し引けない扱いです。

まとめ

この記事の要点
  • 借入金・未払金・亡くなった人の未払いの税金・葬式費用は引ける
  • 香典返し・法事の費用・墓石や墓地の購入費・お墓の未払代金は引けない
  • 子2人・7,500万円のケースでは、1,000万円を引いて総額が395万円から245万円に
  • 引くと基礎控除を下回り、申告が不要になるケースもある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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